巷ではやっている生成AIを使えば業務改善できそうだといきごんで使ってみる人が増えています。
しかし、せっかく生成系AIを使っているのに、なんだかうまくいかないことが多い…」そんなふうに感じることはありませんか?実は、それこそがあなたが“成長している”証拠です。なぜなら、普段なら気づかない問題点や、見過ごしていた細かな違和感にフォーカスできるようになっているからです。
生成AIがもたらす合理化と“できていない”ことへの意識
生成AIを使っていると、驚くほど多くの作業があっという間に片づく経験をします。
音声入力でブログを書く
取引先への定例連絡文の下書きを作る
新しいキャンペーンのアイデアを一緒に練る
プロンプト(命令文)を工夫してより良い文章を引き出す
こうしたことが驚くほどスピーディーかつ簡単にできてしまうと、人は“うまくいった部分”に注目しなくなってしまうものです。
なぜなら、その成功があまりに簡単に手に入ってしまうからです。
本当なら、7割の出来でも文章ができあがったら驚くべきことですよね。10年前の人が見たら目が飛び出るほど驚くでしょう。
一方で、わずかでも「うまくいかなかった部分」や「違和感のある結果」については、急に目立って感じられるようになります。
すると、「なんでこんな結果が出るの?」「こういう表現はちょっと違うなあ…」と、ネガティブな部分ばかりが気になるようになるわけです。
“できていない”ところこそが伸びしろ
実際のところ、全体を見れば生成AIによって8割は目的の作業が既に満たされていることがほとんどです。にもかかわらず、人間の心理として“まだできていない2割”が気になってしまう。これは当然の反応でもあり、同時に大きなチャンスでもあります。
なぜなら、うまくいかなかった部分というのは、
そこに課題がある
そこに改善の余地がある
自分にとって新しい取り組みや視点が生まれる可能性がある
など、潜在的な成長の芽が隠れているからです。
もし「うまくいかないなあ」「違うなあ」という感覚があるということは、目指す理想やゴールをより高く設定できているということでもあります。言い換えれば、以前よりも厳しく、精度の高い結果を求めるようになっているのです。
これこそが、あなたの成長が表れているサインだといえます。
生成AIをうまく使いこなすためのマインドセット
“うまくいかない”を受け止める生成AIによって作られた文章やアイデアに「うーん、ちょっと違うかも」と思うのは当然です。むしろ、“違和感を抱ける自分”になっていることを認めましょう。
修正前提で考える我々の仕事は、できていない部分を少しずつ直すことの連続です。できた部分は気にせず、「ここはこう変えたほうがいいな」「もう少し具体的に書いてほしいな」などの指摘や修正を重ねることで、質を高めていきます。
プロンプトを試行錯誤するSSAIはプロンプト(指示文)の与え方で出力結果が大きく変わります。「もっと共感を意識して」「箇条書きで」など、具体的な指示をするほど、自分の理想に近い文章を出してくれるようになります。試行錯誤のプロセスそのものが成長の種です。
“当たり前”の感覚を更新する8割がすぐにできてしまう世界では、“できていること”に対するありがたみが薄れがちです。
しかし、その“当たり前”こそが自分を押し上げてくれる土台になります。自分で気づけないほど当たり前にできるようになった部分こそ、すでに習得している証拠。それに気づいたら、「あ、成長しているんだな」と改めて振り返ってみましょう。
まとめ
「うまくいかないなあ」「なんか違うなあ」と思う瞬間は、あなたが新たな視点を手に入れ、目標のハードルを引き上げられるようになった証拠です。
生成AIを使うと、“うまくいった部分”があまりに簡単にできるがゆえに、自分の中の“できていない部分”が際立ちます。しかし、それは間違いなく成長のチャンスです。
もし何かがうまくいかないと感じたら、「ああ、今まさに自分は成長している途中なんだ」と気持ちを切り替えながら修正を繰り返しましょう。
そうすることで、あなたの創造力や仕事のスピード、成果物のクオリティは、これまで以上に高まり続けるはずです。